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中小企業のための「資金繰り表」講座 (2)資金とは

「資金」とは支払に使えるもの

話しの展開の都合上、資金繰り表の「資金」とは何か?というところからスタートします。そうとう脱線しそうな予感。

資金とは「お金」のことです。当たり前すぎますが、実は、そう簡単でもないということが今回のテーマです。お金とは「貨幣」のことですが、 貨幣の機能は学者の分類でも諸説ありそうですが、とりあえず、誰でも納得しそうな説では(1)価値の尺度、(2)支払手段(3) 富の蓄積手段です。(1)はビール1本200円というようにモノの価値を表現する機能(価格といいます)、(2)は、 支払に使う=債務が消滅する機能、(3)いうまでもなく富を蓄積する手段というわけです。現在の私たちの常識では、 特に区分する必要はないのかもしれません。ここで、あえてこのようなことに触れたのは資金繰り表を作成する上での「資金」とは(2) 支払手段としての貨幣です。

したがって、資金繰り表では「支払に使えるモノ」=債務を消滅させる力のあるモノが資金であり、資金繰り表の作成目的によって「資金」 の範囲が違ってくるということです。

 

 

 

厳密に資金繰り表(特に短期)を作る場合は、注意が必要な点がいくつかあります。

 

小切手

簿記では受け取った小切手は「現金」として処理します。しかし一般的に小切手は銀行口座を経由して取り立てますから、預金に預け入れても 「資金化日」が2~3日後です。通帳にもそのように記載されます。この前の日にちでは通帳に残高があっても引き出すことができません。 つまり預金の残高=支払手段とならないということです。

小切手を振り出した場合はどうでしょう。相手に渡しても、その日に決済されることはめったにありませんが、相手が同一銀行(支店) に口座があれば、そうとも限りません。

 

受取手形

相手方から受け取った手形(受取手形)は、支払日まで資金化されません。しかし、裏書きや割引で支払手段として使える場合があります。 条件によっては、受取手形は支払手段であり資金であるといえます。

 

売掛金

得意先と仕入先が同じであれば相殺という形で決済することがあります。相殺はいつでもできるというわけではありません。 売掛金も回収日が到来すれば決済に使えます。

 

一般的な資金繰り表では「定期預金」などの預け入れは「資金の出」として区分します。これらの要求払い預金は資金繰り表の残高で「資金」 としてカウントすることも「資金ではない」として、資金残高から除外することも自由です。市場性のある有価証券などはどうでしょう。通常、 いつでも換金できますが、市場価格が変動します。そのリスクを織り込んでおけば「資金」として扱っても差し使えないということになります。 長期の資金繰り表では、余剰資金で株式や投信を購入しても「資金」として区分しても差し支えないでしょう。

 

このように「自由」なのが、資金繰り表であり、第1回で書いたように特にルールはないので資金繰り表の作成目的に合わせて「資金」 の定義をしてください。

 

<参考>

売掛債権担保融資保証制度

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/urikake_index.htm

 

このような制度が活用できれば売掛債権を「資金」に転化することができます。

 

<雑談>

債務を消滅させる「力」のあるものが「支払手段」=資金と書いてきましたが、債務とは何でしょうか? ここでいう債務はもちろん金銭を支払えば消滅する債務のことです。売買では売り手は物を引き渡す債務を負い、 買い手は代金を支払う債務を負いますから、このように債務は金銭債務だけではありません。しかし、引き渡すべき物が引き渡せない、 提供すべきサービスが提供できなければ「不法行為」となり、これは金銭債務に転化してしまいます。企業が負う金銭債務の大半は「契約」 によりますが、それ以外の原因として「不法行為責任」をあげることができます。そして、忘れてならないのが税金です。税金は契約ではなく 「法律の定めるところにより」発生します。この債務を消滅させるには、どうしても支払手段=「資金」が必要です。

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「中小企業のための資金繰り表講座」NO

税理士 阿部隆幸

 

 

 

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2007年10月03日 08:54に投稿されたエントリーのページです。

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