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2010年09月 アーカイブ

2010年09月02日

経営者の引退

税理士向け月刊誌「税理」7月号が「経営者の引退と税務・経営プランニング」という特集を組んでおり、興味深く読んだ。

会社は、始めるより「たたむ」のが難しい。考えてみれば当たり前だが、始めるときは「サラ」である。改めて「経営計画」など言われなくとも、なにがしかのものは、どこの会社にもあるはずだ。

ところが、会社を「たたむ」となれば、負債もあり、様々な「垢」もついている。垢では、たとえが悪いかもしれないが、やめるにやめられない人間関係、その最たるものが従業員であり、取引先である。また、逆に味のある「苔」もつく。これは、よき人間関係であり、貫禄、キャリア、信頼。

事業をやめ、会社を解散する場合だけでなく、自然人である経営者は、いずれ引退の時期が来る。

事業の廃止、会社解散、事業譲渡、代表者交代これらは、いずれも専門家にとって、設立以上に、はるかに、やっかいな問題だ。様々知識や経験が要求される分野だ。

「会社設立相談」という看板は、よく目にするが「解散、事業廃止相談」という看板は目にしたことがない。

経営者の引退には、様々なパターンがある。事業を次世代親族に譲る、従業員に譲る、同業者に譲る、あるいは、完全に清算するなどである。さらには、一部を残し一部を清算するなどなど。文字通り百者は百様である。

引退後の経営者の生活、年金、退職金、株の譲渡、営業譲渡の対価などなども、検討しなければならない。

2010年09月03日

在職老齢年金と役員給与

仕事がら、社長の給与をいくらにすべきかいう相談を受けることがある。

しかし、最近は「在職老齢年金」の知識無しには、うっかり決められない。年金のことを考慮しないと、給与の金額によっては、年金が支給停止となってしまうからだ。

 

注意が必要なのは「70歳になれば満額年金を受給できる」という誤った知識である。これは、平成19年3月までのことであり、現在は昭和12年4月2日以後に生まれた方は、70歳をすぎても、65歳と同様の扱いになっている。

 

では、いくらの給料なら、どれだけ支給停止となるかというと、おいそれと計算できない。ネットでちょっと調べてといった素人判断は禁物である。

年金手帳を準備して、社会保険労務士に相談した方がよい。

<社会保険庁、在職老齢年金の解説は下記>

http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/shikumi02.htm

2010年09月04日

清算所得課税の廃止-平成22年10月1日から制度が変わる

平成22年度の法人税改正の大きな項目として「清算所得課税」の廃止がある。といっても、「なんのこっちゃ」というのが多くの方の実感であろう。

調べてみると、清算所得に対する課税が始まったのが大正9年であり、それ以来の大改正ということになる。

どこが変わって、どう影響するかであるが、改正前は「清算所得」は、通常の法人税と違い、「財産法」によって所得計算がされていたが、清算所得課税廃止によって、解散後も「損益法」によって所得計算を行うこととなった。

会社は負債(借金)が残っていては、清算できないので、これまで小規模の会社では、代表者からの借入金等は放棄してもらい、解散した例も多いと思われる。従来「清算所得」の計算では、負債がなくなっても特に財産が増えたわけではないので、清算所得があるものとはされなかった。

ところが、改正後の「損益法」では、この放棄してもらった分は「雑収入」となり、所得となる。つまりは、税金の対象となるということだ。「そんなバカな」と思っても、清算所得課税廃止とは、こういうことである。

とは言っても、残余財産がゼロの場合、つまり債権を回収し、資産を売却し、負債を支払って何も残りがない場合は、「期限切れ欠損金の損金算入」という制度ができたので、従来と変わらず、所得は発生しない。

しかし、「期限切れ欠損金の損金算入」が、認められるのは「残余財産がないと見込まれるとき」(法人税法59条3項)に限られる。「残余財産がない」とは、「当該事業年度終了の時において債務超過の状態」(新法人税法基本通達12-3-8)とされているので、少しでも株主に払い戻す原資が残る場合は、残余財産があることになり、適用されない。

この新法人税法が適用されるのは、平成22年10月1日からであり、事情によっては、9月中に解散したほうがよい。なお、通常、会社は株主総会の決議により解散し、清算事務を行うため、清算人を選任する。解散後に、清算事務を行うのであり、解散と清算は違う。9月中に清算を終える(結了)必要はないので、まだ十分間に合う。

2010年09月06日

マルチ通貨対応会計ソフトについて

中小企業でも、米ドル口座の預金があり、取引もドルで行われるというのもさして珍しいことではなくなった。会計ソフトを使っていて「ドルはどうやって入力するのですか」とう質問を受けることがある。会計ソフトの出口である決算書や元帳は、最終的には円貨に換算して表示せざるを得ないので「円に換算して入力してください」と回答することになる。

しかし、以前から不満に思うのは、様々な拡張機能満載している市販の中小向け会計ソフトが、マルチ通貨を無視していることだ。ここは、何とかならないものであろうか。

マルチカレンシー対応といっても、外貨で入力した数字から円貨の仕訳データを自動生成するような本格的なものでなくともよい。外国通貨(預金)、外貨建債権、外貨建債務を、外貨表示のまま入力しておける帳簿があれば便利である。仕訳データは、この記載を基に手計算で換算して入力することになるが、処理済みのものとそうでないもののチェック欄、処理日付、換算レート欄などがあれば十分である。

なお、ビズソフトの「ツカエル会計」には「関連ファイル管理」という機能があるので、表計算ソフトで、外貨帳簿を作成しておけば、上記と同等の管理は可能である。

kanren

あらかじめ、EXCEL等で外貨預金帳を作成し任意の場所に保存

ツカエル経理のツールメニューの「関連ファイル管理」で、上記ファイルを登録

作業ファイルに登録された外貨預金帳はここから起動できる

2010年09月09日

9月から厚生年金保険料が変わります

9月(10月納付分)より、厚生年金保険料が変わります。

本人負担分(給与控除)は、

これまでの78.52/1000から80.29/1000となります。

詳細は下記日本年金機構のページでご確認ください。

http://www.nenkin.go.jp/main/employer/index6.html

ビズソフト「ツカエル経理」で控除額の自動計算を行っている場合は設定が必要です。

9月分の厚生年金を控除する給与計算を行う前に設定してください。

設定は「給与明細」作成を開き「給与規定」画面で行ってください。

 

kyuyo

2010年09月29日

「致酔性」これは何と読むのか?

平成21年12月22日閣議決定「平成22年度税制改正大綱」の23ページに「致酔性」という漢字が出てくる。多分「ちすいせい」と読むのだろうと推測しているのだが、辞書を引いても載っていない。ずっと気になっている。

どういう文脈で出てくるかというと、今後酒税のあり方である。「類似の酒類については、基本的に致酔性の観点からアルコール度数に着目した税制とすることを検討します。」とある。

どうも、酔っぱらうことは良くないことで、良くないことには税金をかけるというのが、この税制大綱の考えのようだ。

この数行前に「たばこ・酒税は-省略-これまで安易な財源確保として用いられてきました。-省略-このようなあり方は望ましいものではありません。」と酒飲み、愛煙家が喜びそうな言葉がある。

ところが、この後が「たばこ税については、国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するために、将来に向かって、税率を引き上げていく必要があります。」である。結果として、この10月1日から1本あたり5円程度の値上げとなる。

要点をまとめると、これまでは安易な財源策として、酒税・たばこ税を位置づけてきたが、これからは「国民の健康」という視点から酒税・たばこ税を位置づけるということのようだ。

どうもこれは、しっくりこない。財源策を考えるのは国家の役割であり、むしろ「安易な財源策」のほうがしっくりくる。

家族に「飲み過ぎはよくない」とか「タバコはやめて」といわれるのとは、わけが違う。

2010年09月30日

給付付き税額控除とは

「きゅうふつきぜいがくこうじょ」と読みます。

これも税制改正大綱に登場する言葉ですが、政権交代によって登場したというわけではなく、自公連立政権時代の「骨太の方針2008」「平成20年政府税制調査会答申」から検討されていますから、継続した政策ということになります。

給付付き税額控除とはどのようなものかというと、キチンとした定義はなく、論者により様々と思いますが、概ね次のようなものです。

現在の所得税の計算構造では、所得から所得控除を差し引き、この結果に税率を乗じて所得税額を計算します。

実際はもっと複雑ですが、所得とは収入から経費を差し引いたもの、事業では「儲け」、給与では給料賞与の総額から「給与所得控除」を差し引いたものです。給与所得控除は最低で年間65万で給与の金額が増えればふれるほど増えていきます。

所得控除とは基礎控除、扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など、所得から差し引く金額のことで、基礎控除、扶養控除(一人あたり)、配偶者控除はいずれも年間38万円です。

(1)収入-経費(給与所得控除)=所得

(2)所得-所得控除=課税所得

課税所得に税率を掛けて税額を計算します。

この計算式(2)の答えがマイナスとなると結果はゼロとします。

これでは、所得控除が課税所得より少ない人は所得控除分を引ききれないこととなります。これは低所得者に不利という指摘は一理あります。

この計算結果のマイナス分に税率を掛けて税額とすれば、税金が返ってくることになります。これを「負の所得税」と呼ぶ人もいるようです。

 

税制改正大綱などで検討されている方式は、上記と違い、所得控除をできるだけ廃止して、税額控除に置き換えることのようです。

(1)収入-経費=所得

で、税率を掛けて税額を算出します。

(2)税額-税額控除=納付(還付)税額

上記では計算式(2)の答えがプラスであれば税金を納め、マイナスであれば戻るということになります。

 

実際は、もっと複雑になるでしょうが、給付付き税額控除とは上記のようなものです。

この制度が本当に実施されるのかというと、実はこの考え方の一部がすでに導入されています。これが「子ども手当」です。子ども手当の実施に伴い平成23年分の所得税から子ども手当の支給対象となる扶養親族(子ども)の扶養控除が廃止されます。

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